バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

言い間違い

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ワット・ターガーローンの看板前で。

 タイ人って言い間違いをするだろうか。もちろんあるだろうけど、日本人の日本語の言い間違いとは違うのではないか。たとえば、長いカタカナ語を間違っていたりとか。高校生のころにハーゲンダッツでバイトしていたころ、ベルジアン・チョコレートってアイスがあったんだけども(うろ覚え)、結構多くの人がベジタリアン・チョコレートって言ってたんだよ。そういう感じのあるのかな。

 っていうのは、アムがよく謎の言い間違いをするんだよね。ソムタムをソムトムって言ったり。

 この前に行ったアユタヤのワット・ターガーローンをワット・ガーターローンって何回も言ってた。意味が全然違うし。カタカナで意味がわからなくて入れ違って憶えるのはまだわかるけど、タイ語だからな。運転しているときにワット・ガーターローンって聞こえたから、最初ガタローン(熱い鉄板)の話をしているのかと。なんで急に料理の話をするかね、と思っていたら、言い間違ってた。

 タイ人でさえこういうの間違えるなら、外国人はこんな憶えられないって。ホント、タイ語は難しいよ。

 

 なんか、ツイッターで前職の後輩が「タイで幸せに暮らすならタイ語を憶えない方がいい」といった内容を書き込んでて、賛同する人と批判する人が極端に分かれてた。

 難しいところだよね。その意見もわかる気もする。実際、タイ人は下層クラスになればなるほど外国人を見下しているからね。先日のこのブログでもちょっと書いたけど、誰かのツイッターで「無教養ほど自分に自信がある」ってのがタイ人にものすごく当てはまって、ナチュラルにバカにしてくるからね。レスキューでオレは何度もひどい言われ方とかしてきたよ。

 だからタイ語がわからない方が幸せな部分って確かにあるんだ。ベトナム行くとオレなんか全然言っていることわからないから、楽しいしかない。やっぱり住んでなんとなく言っていることがわかってくると、そういう嫌な部分も見えてくるでしょう。現実的にベトナムに住んでベトナム嫌いになる人も結構いるみたいだし。

 でも、一方でタイ語ができることで得するというか、安心できる部分もあるんだと思う。あれだけ何回も行っていて慣れている、そしてタイよりも全然治安がいいベトナムでさえ、やっぱりタイに帰ってくるとほっとするもんね。ラオスだってそうよ。文化も言葉も似ているのに、メコン河を越えてタイ領に入るだけで気持ちが全然違う。

 やっぱり言葉は通じるというだけで全然違うんだな。それに、なんだかんだ言って、いいことと悪いことを天秤にかけた場合、まあいいことの方が多いと思うしね。オレなんかは家庭内言語タイ語だし、タイ語がなければ成り立たない部分が大きい。また、日本人とタイ人の国際結婚で離婚する人の多くは(あくまでオレの周囲の話だけど)、日本人がタイ語できないケースがほとんどだ。やっぱりタイで暮らす、あるいはタイと関係を持つ場合はタイ語ができるに越したことはない。

 まあ、擁護すると、そのツイッターの彼はそういうことが言えるくらい、タイ語が堪能なんだけどね。だからこそ、その投稿にはいろいろな意味があるんだ。批判する人の多くがまだタイ語勉強中みたいだったし。

 とにかく、そんな言葉には耳を傾けず、タイ語勉強中の人はタイ語習得に邁進するといい。ただ、いつかタイ語できない方がよかったなって場面には大なり小なり出くわすときがあるよ、絶対。そのときにそれでもタイが好きなら、それこそ本物のタイマニアなんだと思う。