バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

葉っぱの皿の思い出

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バナナの葉っぱ(?)でできた皿。

 2回目のタイは1998年の10月ごろだった。インドに行く前に立ち寄ったんだけれども、そのときにカンチャナブリに列車に乗っていった。まだトンブリ駅舎が川沿いにあったので、カオサンから行きやすかった。

 カンチャナブリで戦場にかける橋とか、捕虜収容所とか見たりして。まだ海外に不慣れなころだったので、夢中になって歩き回っていたら、すっかり飯のことを忘れていた。

 それで帰りの列車に乗ったら腹が減ってきて。朝7時くらいに出発して、夕方16時くらいの列車だったかな。途中の駅から物売りが乗ってきて、食べものを売っていた。それがバナナの葉だと思うけれど、それで包まれたなにかだった。

 ひとつ10バーツくらいで、包みを開けると、中にはご飯とグリーンカレーが入っていた。小さなスプーンもついていたので、それを口に入れると、なんとも言えない感動が。とにかく、おいしかった。別の車両に行って戻ってきた物売りを捕まえて、もうひとつ買ったくらい。それくらいおいしかった。

 ただ、上記の画像もそうだし、そのときの列車の皿もそうだったけれど、せっかく葉っぱで作っているのに、葉っぱを編んで作っているわけではなく、端っこをホッチキスでとめているのよ。なんか残念ではあるけれども、そういうところもタイっぽくて好きだな。なんか雑な感じ。もっとがんばれば風情が出るのに、みたいな。たとえば、夜の祭とかもなんか明るいんだけど、よく見ると、蛍光灯をただ縦に取りつけているだけだったり。もうちょっとなんかないのか、みたいな感じよ。

 バナナの葉というと、オレはインドも思い出す。行ったことはないんだけれども、南インドは定食屋はお替わり自由で、腹がいっぱいになるまでカレーとご飯を定額で食べられるのだとか。オレは北インドしか行ったことないけれど、誰もが北のインド人はひどく、南は穏やかだと言う。インド好きになる人はだいたい南を経由するみたい。だからかな、オレがインド嫌いなのは。

 その定食屋の皿っていうのがバナナの葉なんだってさ。北インド、というかバラナシだと定食屋は学校の給食みたいな、いくつかに仕切られたアルマイトの大皿みたいなのだった。それはそれでいいけど、なんかバナナの葉っぱの方がいいなと、体験者の話を聞いていて思ったものだ。

 大体、インドのカレーって日本のカレーだとかインド料理店のカレーと全然違って、カレー味のみそ汁並みに薄い。バラナシの定食屋で一番おいしかったのってナンとかだったもの。

 だから、南インドは行けなくて残念だったな。もう行く気はないけどね。