バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

戦後ってもう言わなくなったな

 マンガ「美味しんぼ」を久しぶりに手にして思ったんだけども、戦後ってもう言わなくなったな。

 美味しんぼってなんだかんだ、始まったのが30年以上前でしょ。山岡・栗田の結婚でさえもうなんだかんだ20年くらい前の話だし。第1回目では山岡士郎27歳とか、そんな感じで出てくる。だから、現実世界の年齢でいうと、山岡・栗田夫妻の結婚ってそこそこ晩婚。よく元気な双子を産んだよ、栗田さんは。

 少なくともオレが9歳くらいのときにはすでに数巻、家に美味しんぼがあったから、まあ8歳のときに連載が始まったのかな。wikiを見てみると、1983年に連載開始とある。ちなみに、子どもは75巻で生まれているみたいなので、初版が2000年だ。ということは、山岡士郎44歳、栗田さん39歳での出産だ。やっぱりそこそこ晩婚だね。そこそこかね?

 1983年に山岡士郎が27歳となると、生まれは1956年生まれとなる。戦後11年とはいえ、オレの父親と6歳しか違わない。富井副部長なんかはモンゴルだったか満州の育ちってのがたびたび、初期のエピソードで出てくる。部長や大原社主の年齢は出てなかったと思うが、副部長の年齢を考えると、みんな戦前、場合によっては大正とか明治生まれの可能性もあるわけで。

 マンガの設定で大人を描く場合は昔はやっぱり戦争がどうしても絡んできたものだ。だいたい、オレが子どものころはまだ普通に「戦後」って言葉があったもの。周りにも戦争体験者もいたわけだし。

 でも、もうさすがに戦後って言わないんだろうな。オレは昭和生まれだから、太平洋戦争と同じ元号で生まれているのもあったからってのもあるだろう。今やふたつ過ぎているもんな。それこそ、昭和初期で言えばオレなんか明治生まれと同じだもの。そうなると、本当の意味で、時代が違う、ってなるわ。

 大体、平成になった時点で平成って使わなくなって、西暦でものを憶えるようになってたから、それがさらに海外移住で元号なんてさっぱりというか。日本の書類を書くとき、絶対検索するもの、「2015年 平成何年」とか。

 令和になるとかそんなのも、正直、わりと直前まで知らなかった。1月1日から元号が変わると思ってたし。

 年代の変わり目で言えば、2000年だよな。Y2Kって結局あれ、なんだったんだよな。あれ、対応しきれずに世界が大混乱になってたらおもしろかったのに。

 って、考えてみると、2000年の時点で成人しているって、オレもホント歳を取ったな。そりゃあ、子どものころに戦後って言葉があったわ。オレが初めてタイに来たときは飛行機も普通にタバコが吸えたし、なんなら電車でも普通に吸えたよな。父親ってのは漏れなくタバコ吸ってて、夕飯とかの食卓でも吸うんだよ。そういう時代に育ったんだよ、オレは。