バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

小籠包は間違った食べ方がおいしい

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 美味しんぼの功罪のひとつに小籠包が日本人の間で一般的になったことと同時に、間違った食べ方が広まった気がする。まあ、おいしければ食べ方に正しいもなにもないんだけれども、美味しんぼでは熱々の小籠包をひと口で食べてしまう。これ、間違いらしく。

 小籠包と言えばやっぱり鼎泰豊。以前はバンコクにはなくて、たぶんバンコクから一番近い店はシンガポールだった。シンガポールに行ったら絶対に鼎泰豊に行くくらい飢えていたな。台湾に行ったのもここに行くためだった。わざわざSARSど真ん中に行ったんだよな。あのときと今では全然状況が違うな。正直、コロナも去年の今ごろの段階ではSARSくらいのもんだと思ってた。

 そんな鼎泰豊がバンコクにやっと来た。何年もワートレのテナントを押さえてたのに焼き討ちに遭ったりしたからかかなり時間が経って来た。2011年とかそれくらいかな。

 その後、ある雑誌で取材をしたんだけども、そのときに広報の人が食べ方が違うって言ってた。その数日前に、スリウォンの上海人がやっている中華行ったときも、店主が日本人の食べ方は間違っているって言ってた。餃子もそうだと言ってた。

 まず、日本人は餃子とか小籠包を食べるときは醤油に黒酢、ラー油を小皿に用意するでしょう。小籠包なら刻みショウガも。でも、本場の人は黒酢だけだって。餃子もそうなんだってさ。

 それから、小籠包はレンゲに乗せて、突いて破いてスープを吸ってから、食べるのだそうで。熱々を放り込んだら口の中を火傷するってさ。全然違うじゃないか、美味しんぼよ。

 でもね、美味しんぼの食べ方がうまいんだよなあ。餃子とか小籠包を黒酢だけで食べておいしいわけない。それに飛び出す熱々のスープや、餃子の肉汁は口の中で一気に受け止めたいじゃないか。

 オレは子どものころから熱いものは徹底的に熱く、辛いものは徹底的に辛くが好みだった。だから、小籠包をちまちま食べるのは流儀ではないね。だから、取材のときも撮影後に試食できることが普通なんだけど、広報の人がいなくなった瞬間に醤油かけて一気に口に放り込んだね。これぞ小籠包の食べ方。

 今、日本ってどうなんだろうな。それこそオレが台湾に行ったころにはすでに東京に鼎泰豊が来てた気がするけど。日本だと高島屋デパートとかに入居しているのかな。ちなみにタイはシンガポール系の会社がやっている。なんだっけな、ベーカリーもやってて、そっちもおいしんだよな。

 で、タイの場合は大衆食堂系の中華料理店でも結構小籠包を見かける。日本はオレが住んでいたときは小籠包なんて青龍軒とかそんな名前の中華料理居酒屋くらいでしか見なかった気がする。タイみたいに身近じゃなかったけど、今は増えたのでしょうか。