バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

あれから1年

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※以前間違ってアップしてしまった記事を再掲載

 

 去年の2月8日、タイを震撼させた事件が起こった。コラートのターミナル21で兵士が立てこもって、民間人など29人を殺害した事件だ。本人は翌朝くらいに射殺されていたけれど、これほど同情の余地もない犯人もない。

ja.wikipedia.org

 ウィキペディアにもなっているし。これが立ち上がったのも結構早い段階だったな。誰だろう、これを作った日本人は。

 兵士はまあ、バイトで上官の不動産売買を手伝っていたけれども報酬をくれなかったとか、そんな理由で犯行に及んでいる。実際、その上官もひどいので、殺されたのはなんもかわいそうには思わないし、なんなら上官の妻も殺されちゃえばよかったのにと正直思うね。あくまでもターミナル21で殺された人たちの代わりにって意味でね。

 あの日はちょうどアムがコラートにいたんだよな。祖母が体調悪くて、叔母とかと一緒に日帰りでコラートに向かっていた。夕方前にはもう市街で銃声が響いていたらしくて、アムからラインが来てた。でも、まだその時点ではニュースになってなかったから、なにか火事とかで軽く爆発しているんじゃないかなって思ってた。

 それから30分くらいしてからえらいことになっているって、タイの報道が全部これを報道しだして、やばいぞ、と。アムには遠回りしてでも早くコラートを出てきた方がいいって言ったよ。軍人だから、警察とやり合った場合にどう出るかわからないし。でも、アムは確か別の場所で普通に飯食ってた。どっちにしたって、アムが知らない道で返ってくるなんて無理な話だから、しょうがないんだけど。そっちの方が致死率上がるし。

 当たり前だけれども、アムの親戚もだいたいコラート出身なわけで、いとこの中には友人が殺されちゃったのもいるし。あの事件は本当に身近だった。

 この事件の直前にも学校の先生がサラブリで金行を襲って、従業員だかガードマンを射殺している。タイはどうかしちゃったのかってくらいの残虐事件が相次いでいた。タイは景気が悪化すると目に見えて治安が悪化する。その金行事件の前の月には日本人も強盗にバンコクで遭っているし。

 別に応援しているわけでもなんでもないけど、やっぱりタクシン派が上に立っていると景気が回復するんだよな。ある日本人ライターがタクシンは悪みたいなことを言ってまわってたけれど、正直、コイツなにを見てきたんだろうって思ったね。保守派になると麻薬事案もすごく増えるし。タクシンの方がまだマシ。

 そう考えると、今若者たちが反政府運動を始めるのも、実際問題、必然だったんだよな。あとは年寄がそれを認められるかどうか。もう終わっているのだよ、タイの現政権は。