バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

ココナッツのなにがうまいのか全然わからない話

 世の中、思っていたのとだいぶ違うということはよくあるが、オレの中ではココナッツが最もがっかりした食べものだ。イワシの刺身とか生シラス丼とか、タイではどこでも食べられるようなものではない、特に海産系で近年は「こんなもんか」感はあったが、ココナッツほど、こんなん食えるか! と思ったことはない。

 あ、くさやもそうかな。大人になったら食えるんじゃないかと思ったけれども、いまだにあの臭いはだめだ。

 ココナッツ自体は嫌いではない。むしろ好きな方だ。

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 このココナッツ・チップスなんかは最もおいしいチップスだと思っている。

 しかし、こっちだ。この実の方だ。

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いろいろなところで売っている生のココナッツジュース。

 初めて見たときはテンション上がったね。少なくともオレが暮らしていた当時の東京ではまず見かけなかったし。バンコクに初めて来て、しかも実をまるまる全部を自分のものにできるなんて。

 値段も安かった。1個50バーツとか? 当時は1万円が4200バーツくらいだったから、50バーツだと120円しないくらいか。なんて贅沢なんだろうと、感動したものだ。たしか、ワールドトレードセンター(現セントラル・ワールド)の前だったことは憶えている。

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このココナッツの水!

 そして、どきどきのひと口めから地獄へと突き落とされる瞬間がやってくるわけだ。これが好きな人ももちろんいるだろうが、オレの中ではこんなに青臭い味ではなく、ココナッツミルクから想像される濃厚な舌触りと甘さだと思っていた。

 ホント勘弁してくれと思った。急に自分のものになったココナッツの実を持て余す。逆にこの量が負担になるというか。どうして、ココナッツミルクとかはおいしいのに、生の実はまずいのかと衝撃を受けた。

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ココナッツアイス。

 タイの伝統的な菓子、つまり日本でいう和菓子にあたる菓子はココナッツやココナッツシュガーを多用している。その場合はむしろおいしい。画像のような伝統的な製法のココナッツアイスもおいしい。こういうのだったら全然問題ないのだが、いまだに生のココナッツジュースだけはだめだ。

 正直果物にはがっかりするものが結構ある。スイカもそうだ。オレが子どものころはスイカなんて夏に何回食べられるかというものだった。志村けんが全員集合でスイカの早食いをするのを見て、子どもたちはみんな憧れたものだよ。

 それがタイの屋台では10バーツ(今は値上がっているのかな?)で4分の1くらいのものが買えて。でも、タイのスイカは味がすかすかというか、甘くもないし、水分が詰まっているわけでもない。メロンもそうだ。メロンなんかは、ゴリゴリしているもんな。

 タイはなんでもおいしい国ではあるが、決してすべてがおいしいわけではないのだ。