バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

ビーフシチューのフォー

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フォーボーコー。

 ホーチミンに行くと絶対にこれを食べる。フォー・ボーコーという麺料理だ。簡単に言えば、ビーフシチューのフォーだ。フォーはベトナムを代表する米粉麺で、タイのクイッティアオと比較して、あまりコシがない。最初はそのコシのなさに敬遠していたが、あるとき友人に牛肉麺のフォー・ボーを食べに連れて行ってくれて、それからフォーを気に入ってしまった。

 それで、ホーチミンに行ったときにフォー・ボーの店に行こうと思い、ブイビエンの近くにある有名店に行ってみた。そのとき、フォー・ボーを頼もうとしたら、店員がこっちのボーコーの方を指してきた。最初はなんだかよくわからず、フォー・ボーにしたんだが、よくよく考えてみると、ビーフシチューのフォーってなんだよ(英語で書いてたので、一応料理名はわかった)と宿に戻ってから思い始めた。で、次の日、また同じ店に行って、今度はボーコーを頼んだ。

 そしたら、このうまさ。麺に合うのかと思ったけれども、よくよく考えれば合わないわけがない。今の若い人は知らないけど、オレの世代なら洋食店ビーフシチューとライスとか、自宅で母が作ったビーフシチューを茶碗の飯で掻き込んだことがあるのではないか。そう考えれば、フォーは米粉だから合わないわけはない。

 不思議とハノイでは見かけない。何軒かハノイ市内にあると友人から聞いているが、オレの行動範囲内では見かけたことがない。だから、たぶん南部料理なんだろうな。ホーチミンではどこにでもあって、何軒かで食べた。どれも肉がちゃんと煮込んであって、東南アジアって牛肉が固いのが多いのに、やわらかくなっていておいしかった。

 で、ちょいちょい思うんだけど、どうだろう、このフォーをクイッティアオに置き換えたら。たぶんコシがあるから、フォー・ボーコーよりも全然おいしいんじゃないかな。タイではビーフシチューは一般的ではないけど、食の幅が広がっているタイなら受け入れられるんじゃないかな。

 ついでにカレーうどんのうどんをクイッティアオにするとかもどうかな。センヤイだとどうだろうか。センスのない日本人経営の飲食店だと、だいたい和食とタイ料理をフュージョンさせたものを考案する。掃いて捨てるほどあるのが、トムヤムスープのラーメンとガパオのドンプリかな。ラープのなんかとかもよくある。

 そうでなくて、シンプルに食材をひとつだけ変えるとか、そんなんでいいのではないか。そういうのやってみたいなあ。