バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

ダムヌンサドゥアクの皿

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オレの写真の皿。

 これが自宅に飾ってある。なんで買ったのか。

 たぶん2005年とかそのころに撮ったものだ。両親がタイに来て、アムと連れて行った。当時はまだ子どもがいなかったというか、結婚もしていなかった。このときに両親が婚姻用の書類を持ってきて、それで籍を入れたはず。

 で、ダムヌンサドゥアクに行ったときに船着き場にこれが置いてあった。どの船もそうだけど、どこかにカメラマンが待機していて、自分のところの船が来たら乗客の顔を取って、戻ってくるまでに皿を作る。これなんかは簡単で、陶器の皿がすでにあって、顔の部分だけ透明のシールにプリントして貼るんだ。だから数十秒でできあがる。売れなかったら剥がせばいいだけなので、1個売れれば、数十枚分のシートの元は取れる。うまい商売だな。

 このときは、桟橋に戻ってきたら、あなたの写真あるよ、って言われて。見たら、全然違う人だった。男であること、太っていることくらいで、あとは顔も服も全然違う。オレじゃないし、て言ったら、ああこっちだ、似ているから、って。だから、似てねえっつうの。でも、それがおもしろくて結局買ってしまった。そして、15年くらい経っているのに、いまだに飾っているという。なかなかいい買いものをしたもので。

 ダムヌンサドゥアクは4回か5回くらい行ったのかな。全部案内を絡めて。自分の観光で行ったことなんかない。だいたい、売っているものはマーブンクロンでも手に入るし、なんならマーブンクロンの方が安い。

 食事も、おいしい店はまずない。オレの印象だけどね。でも、こういう固定客ができない場所って、タイはなぜか飯屋がまずいんだよ。条件が全部揃っていて、うまい店があるとは思えない。特に外国人向けってのもその理由になる。近くのアンパワとかはタイ人が多いから、まずい店が逆に少ないのかな。

 クイッティアオ・ルアなんて、まさにこういう感じで食べていたのかなというものも、ここではイマイチ。そもそも、クイッティアオが戦前にタイの国民食になっただけで、それ以前はそこまで食されていたものではないから、クイッティアオ・ルアがこういう運河の市場が当たり前だったころに食べられていたというのは怪しいとオレは思うんだけど。こういった運河の市場だって大昔の話で、そのころはガスタンクとかないから、小さい船でクイッティアオが作られていたとは考えにくいんだけど。

 そもそもダムヌンサドゥアクで働く人たちって金にがめついって印象だ。強烈に高い値段で売るし、サービスもいい加減だ。クレームをすれば逆切れするし。正直、コロナで壊滅的になっていると思うけど、かわいそうだと思えない。ほかにもいい水上市場はいっぱいあるし。ダムヌンがなくなれば、オレのこの皿もプレミアグッズになるかもな。